SHAMROCK

あの日僕が握り締めてた夢 今はここにあって
一人になって どこにいたって 想ってる君に
胸を突き刺す痛みさえも「忘れたくないよ」
と伝えないのは せめての気持ち

自分で決めた事を否定するなんて愚かな事
失敗で終わったとしても
ソレは自分が選んだ道
自分の進む道
だから
あの日思い描き掴もうとした夢を
握り締めて大切にしていた夢を
引き換えに手にした夢を
手放すわけにはいかない
本当は伝えたい
本当は叫びたい
本当は傍にいたい
でも
ソレは許されない事だから
伝える事は罪だから
ソッと心に蓋をして
君にだけは
嘘を吐き通そう
ソレが
ソレだけが
僕が君に伝えられる
唯一の気持ち


すべて投げ出し
今すぐに君をこの手にただ抱き寄せたいよと願う声も
離れてく距離に届かない君の匂い
タダ風に揺れて消えてく 夢の代償に…

すべて投げ出し
夢も投げ出し
今すぐに君に会いたい
今すぐに君と会いたい
どんなに叫んでも
どんなに求めても
もう届かない
もう君はいない
あまりにも大きすぎた代償
あの頃は些細な問題だと思ってた
こんなに君がチッポケな存在だったなんて
こんなに僕がチッポケな人間だったなんて
こんなに君は僕にとって大切なヒトだったなんて
すべてはもう戻れない過去の話


止まることのない時間の中走り続ける
振り返る日々なんて意味ないから
手の届く距離にいた君の温もりさえ
思い出せないで生きてく 忘れたくないのに…

忘れたくないのに
忘れていく
失くしていく
今はもう過去になり
未来はもう今になる
振り返ってる暇なんてない
振り返ってる意味なんてない
前を見て
前だけを見て
そして君との距離は離れていく
僕に残された術は
“忘れていく事”
忘れる事で癒される
忘れる事で許される
忘れたくない
忘れたい
この気持ちが消滅する時は訪れるのだろうか
忘れる事に支配されている間は
永遠に忘れる事なんて出来ないのに
僕は今日も忘れたくないと足掻いている


言おうとずっと思ってたもの 言葉ってなんで伝えきれずに
待ってたって戻ってこない 別れとかって忘れてくから

言おうと思うのに
言葉が上手く紡げない
言いたい事は決まってる
言うべき事は分かってる
でも
ソレを紡ぎだす術を知らない
ソレを伝える術を知らない
気持ち以上の気持ちを伝える術を僕は持たない
言葉なんて数ある伝達手段のウチの1つに
僕の全ては籠められない
伝えきれず奏で流れ落ちる想いは
待ってたって戻ってこない
今は辛いこの気持ちも
イツかは忘れてくから
君が僕を忘れていくように
僕も君を忘れてくから


すべて投げ出し
今すぐに君をこの手にただ抱き寄せたいよと願う声も
離れてく距離に届かない君の匂い
タダ風に揺れて消えてく 夢の代償に…

コレは僕が招いた厄災
僕が描いたシナリオ
傷付けないように守り遠ざけた存在は
僕のコレから全てと引き換えにしなければ得られない
“僕の最も望むモノ”
“僕の最も大切なモノ”
“僕の最も愛すべきヒト”
もう戻れない
もう戻らない
夢と引き換えに
僕の幸せを
僕の幸せと引き換えに
君の幸せを
君と描いた未来が
吹き続ける風に掻き消されてく
叶うハズの無かった文字達が綴られた石版
幼い頃の夢を追いかけていた愚かな自分
紛い物の下から本物が出てくる事を願って
風の吹くままに今を忘れていく
君の代償に